白浜海岸海岸環境整備事業の概要及び調査内容

平成13年2月 和歌山県

白浜海岸環境整備事業について

 (1) 海岸環境整備事業計画の目的

  本計画は美しい海浜景勝を保全し、また海浜レクリエーションの場としての海岸環境を整備し、海岸利用の増進を図り、地域活性化の核としてのシンボルゾーンを築く。

 (2) 事業の目的

   白浜海岸は、紀州灘に属し、延長500mの白砂の美しい海岸で「観光白浜」のシンボルとなっている。特に夏期には近畿有数の海水浴場としておおいに利用されている。

   しかし、白浜海岸は紀伊水道の南端に位置し太平洋に面しているので、夏期には台風、冬季には季節風による強風と高波浪の影響を受けており、津波や高潮の影響も少なくない。

   昭和50年頃から、漂砂源である背後地の都市化に比例して汀線の後退が進行したため、砂浜の浸食は海水浴等の海岸利用にも支障をきたすようになり、地元からも砂浜の拡大が要望されてきた。

   よって、早急な突堤、養浜、護岸等の整備が必要とされ、昭和56年度から海岸整備事業が進められてきている。

   また、白浜海岸は日本有数の観光地であるので、周辺の環境や利用に合わせた海岸環境を創出する必要がある。

 (3) 白良浜環境整備の基本方針

   学識経験者、地元、国、県、白浜町からなる白良浜保全対策連絡協議会を設立(S56)し、計6回の協議会を開催、京都大学防災研究所の模型実験をふまえた基本方針を策定。

  @背後地の防災

   背後地の開発により白砂の漂砂源がなくなり、砂浜がやせ、越波被害が発生。

  A砂浜を安全に維持できる工法

  B景観を阻害しない

    極力海上に構造物を出さない
     自然との調和を図る
     海水を汚さない

  C利用面積の増大

    砂浜幅を増す。一人当たりの利用面積の増大。

    汀線の増加

  D背後地との調整を図る

    背後地の公園化

 以上から、白浜海岸が自然の磯が張り出した比較的安定なポケットビーチである特性を活かし、浅瀬部分を拡張したキノコのような形をしたヘッドランド形式(離岸堤、突堤)とし、その間に養浜を行い砂浜を形成させる計画とした。護岸は親水性確保のため緩傾斜護岸とし、砂浜と護岸による面的な防御を図っている。

 (4)養浜砂

  白浜の名前の由来でもある白砂の浜の環境を損なわないためにも、白砂の成分である石英の含有量、粒径、比重、色調、肌ざわりが同程度以上の砂を探した結果、国内にはなく輸入することに決定。

 (5)事業経過

  添付資料参照

 

白良浜養浜計画検討 現地調査

Jpeg

既存の深浅測量測線図、底質採取地点図、波浪調査等の調査位置

砂面計、波高計、流速計、濁度計