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白良浜中央部に押し寄せる高波。浜の中央部だけが遊泳禁止になった(昨年8月、白浜町の岩城昭輝さんが撮影した)

白良浜の高波、解明へ

 県が07年度から海底地形の測量など

  「養浜事業と関係」指摘受け

 白浜町の白良浜で、浜の中央部だけ波が高くなり、遊泳禁止になる現象が発生している問題で、県は2007年度から原因解明に乗り出す。最初に白良浜の海底地形の測量をする。浜の観測も続けていく。この問題をめぐっては、昨年度末に白良浜周辺の住民有志が「県の養浜事業と関係がある」と指摘して県に事業の検証を求めて陳情していた。

 県は国に海岸環境整備事業として補助申請をしており、4月に事業費が内示される見通し。計画では、浜10ヵ所程度で測量し、解明のための基礎データを作る。測量の実施時期や回数については事業費が確定してから決める。

 白良浜の観測ついては「風や波が浜の地形変化にどう影響しているかを知るには、日々のデータも必要。住民有志に協力をお願いし、数年かけて調べたい」としている。
 陳情を呼び掛けた白浜町浜通り、森田和夫(65)は「専門的なことはできないが、写真撮影や目視観測といった自分たちでできることについては協力したい」と歓迎している。

 白良浜の養浜事業ついては県が1981年度に着手した。
 学識経験者と国、県、町でつくる白良浜保全対策協議会が事業案を検討した。浜の南側にT字型突堤を建設した後、89年度から2000年度までオーストラリアの白砂計七万4570立方bを投入した。
 浜の面積は投入開始時より37%広がったが、北側の浜の幅が目標より約20b狭かったため、砂の流出を防ぐ目的で03年度に潜堤の建設工事に着工した。07年度末に長さ150bの堤体が完成する見込み。

 ところがここ1〜2年中央部の波が目立って高くなり、昨年は町が海水浴シーズン中に5回、部部的に遊泳禁止措置をとった。年末には貝殻交じりの砂利も打ち上げられるようになり、森田さんは「養浜事業が始まって20年以上たつが、こんな異常は初めて」と危機感を強めている。
 県によると、養浜事業全体でこれまでに約26億円、うち砂の投入で約12億6000万円を使っている。

参考 2007年2月23日 紀伊民報