昭和44年頃 円月島 白浜観光協会パンフレット表紙

 年代について 昭和43年4月2日、南紀白浜空港開港。昭和44年12月1日、ロープウェイー廃止。昭和44年に掲載した。

黒潮おどる南紀白浜温泉

楽しさいっぱいの白浜温泉

 国鉄紀勢本線で紀伊半島を南下、黒潮の海・太平洋につき出た白浜半島に、温泉湧出量1日2万キロリットルを誇る一大温泉郷・白浜温泉があります。温度82度、そのゆたかないで湯は150余の温泉旅館・保健寮・療養所などの浴槽に溢れ、日夜つきることを知りません。

 東経135.2度・北偉33.4度の白浜は、明るい太陽と黒潮の影響をうけて、南国的を風景をそこ、ここに展開します。スモッグを知らない空はあくまでも澄み、海は青く、亜熱帯植物の緑を育てます。明るく登んだ空と緑を配して近代的な旅館が立ちならび、自然美と人工美が、たくみな調和をみせるあたりは、南フランスのこ丁スにそっく りだといわれています。
 そのうえ、白浜のよさをいっそう高めるものは、円月島・三段壁・千畳敷をどの海の奇勝やゴルフ場・海底観光船・ロープウェイ・水族館・熱帯植物園・重力物匿い釣場などの遊びの施設や、みるべきものがいっぱいあることです。便利な定期観光バスがこれらを結んで・、快適をツアーにお誘いします。したがって、白浜温泉はおとなだけの遊び場ではありません。お子さまたちにも極めて健康的で、勉強の材料となるものが揃っているのも白浜の特色です。会社の団体旅行からグループ旅行−、新婚旅行からお子さまとの家族旅行・夏休みの臨海学校まで、あらゆる人達の憩いの温泉地として、四季を通じてその喜びを集めています。


白浜温泉の観光
 白浜温泉は、是非とも定期観光バスに御乗車下さい。単に温泉に入るだけではなく、便利な観光バスによって、白浜での休日をぞんぶんに楽しんでいただくことに魅力があるわけです。白浜駅前から−お宿のもよりの停留所一白浜・湯崎・東白浜・古賀浦から一周2時間乃至3時間の4つのコース。あるコースは海底観光船、あるコースは白浜ロープウェイと結んで、お好みに応じた立体的な白浜温泉のすべてを楽しんでいただくことができます。

白浜温泉−ところ・どころ
白良浜=白い砂に緑の松、はまゆうの花が咲く南国的な明るい浜で、海水浴と散策に好適地です。
円月島=臨海実験所近くの海上に浮かぶ、真ん中にポッカリ穴のあいた小島。白浜温泉のシンボルとして写真や絵に登場します。
千畳敷=湯崎の南方、瀬戸崎の突端につき出た砂岩のスロープ。太平洋に面し、風の強い日の波のくだける風景は壮絶そのものです。
平草原=白浜第一の高所で海抜131m。360度一白浜温泉の展望を楽しむことができます。
三段壁=千畳敷の南方、外洋に面し直立する50mの断崖が約2粁も続いています。映画のロケにもよく使われる白浜名所の一つであり、また、この附近は磯釣マニヤ絶好の釣場です。
水族館=京都大学臨海実験所の附属施設で、一般にはその水槽室を公開しています。種類の多いこと、熱帯性の珍らしい魚など、お子たちの人気を集めています。
番所山臨海パーク=白浜半島の北軋番所山にひらかれた熱帯植物園、園内には原生植物300種、移植栽培の植物300種が原生林さながらに生い茂っています。また南方熊楠翁の記念館もあって、貴重な資料を展示しています。
新白浜熱帯植物園三三段壁の近く、敷地33,000平方メートルの園内にトンクリヤシ、バナナ、パインアップルなど1,200種を栽培する8棟の温室と、露地楯の大サボテン園があります。園内内には美術工芸館があり、古美術品が陳列されています。
ゴルフ場=平草原にひらかれた18ホールのコースをもつ白浜ゴルフ場。道路公団白浜道路添いに同じく18ホールのコースをもつ白浜ビーチゴルフ場。共に関西唯一の温泉ゴルフ場として豪華さを誇っています。
白浜会館=東白浜にあり大口団体の合議などに利用され、収容力は3,000人から5,000人となっています。
坂田山菓子己遺跡=白浜会館の近くにあり、万物の根元である陰と陽のはりものをご神体として約1,300年前に奉祀されたもので、ひもろぎ形式の祭廊己遺跡として、又古文化財としても貴重な遺跡であります。
 

白浜温泉のお宿
 白浜温泉を地域別に大別しますと、白浜・湯崎・束白浜・大浦・古賀浦・新白浜の6地区に分かれています。もちろん中心になるのは美しい白良浜をひかえた白浜地区と「牟挙のいで湯」の古い歴史をもつ湯崎地区です。白良浜から湯崎の高台へかけて太平洋に面し階段状に立ち並ぶ近代的な旅館街の夜景は、豪華な宝石箱のような輝きをみせ、そこはかとなく旅情をそそります。
 東白浜・大浦・古賀浦・新白浜は静かな田辺湾に面した地区で、白浜・湯崎にないおもむきを持っています。美しい入江に白亜の影をうつす近代的な旅館が、自然の風光の中にはどよく配置されたという感じです。
 この6地区を合わせて、旅館数は80・収容力は14,000人です。お好みやご予算に応じていろいろのお宿が選べるわけです。

 

白浜温泉への交通

 東京から100分・名古屋から60分・大阪からは40分のスピーディーな空の旅が楽しめます

 ここ2,3年の間に白浜への交通が、いっそう便利なものになりました

  国鉄紀勢本線で東は名古屋から、西は天王寺から特急・急行・準急で直結、東京から新幹線を利用すれば7時間で極めてお楽にお越しいただけるようになりました。古くから白浜温泉は関西の奥座敷と呼ばれてきましたが、京阪神から3時間でお越しいただけるようになった今日では、この言葉のもつニュアンスも、もうひと昔前のものとなりました。お気軽に家のテラスへでも飛び出るような気持で白浜温泉へおいで下さい。

 このほか、大坂本町から5時間25分のバスコース。和歌山港から1時間30分の水中翼船による海からのコースがあります。