白良浜へ 「援軍」

     エネランド工事現場に多量の白砂

        国の補助で実現を

 海水浴シーズンには延べ八十万人が訪ずれる白浜温泉・白良浜の白砂が、年々減少、このままでは観光面にもマイナスになると、白浜町と県では現在測量調査を行っているが、同浜近くで現在松下興産鰍ェ行っているエネルギーランド工事現場で、同浜の白砂と同質の砂が多量に埋まっている事がわかり、町では国の補助が得られれば白良浜へ搬出する事を決め、国・県へ強力に働きかける事になった。白良浜と同質の砂は他にほとんどないという。

 白砂が見つかったのは、白浜エネルギーランドの駐車場予定地内で、白浜消防署前の町道峰線改良工事(エネルギーランドの取り合い道路)の測量調査中に、良質で多量の白砂が堆積していることがわかり、町では、この白砂を白良浜に搬出出来ないか検討し今月初めにボーリング調査を実施したところ、約一万三千立方bの白砂を採取出来ることがわかった。

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多量の砂が埋まっている現場

 これは八トンダンプで約三千台分にもなり、去る四十九年に近くのマンション工事現場から搬入した量は六千立方bで、その二倍に当たる。同浜は長さ約四百五十メートル、幅五十bでこの砂を搬入すれば、計算上は五十aかさ上げされるという。白良浜の砂は石英質で、周辺の開発などで、同質の砂が少なくなり、現在では搬入出来るのは同所だけという貴重なもの。同所から浜まで直線で約三百b。すでに松下興産からは了解を得ているが、エネルギーランドは来年七月オープン予定だけに、あまり期間が無く、採取したあと埋め戻しや整地しなければならず、何とか国の補助を得て早期に実現したいというもの。

 一方、白良浜の白砂の保全対策について、県と町がそれぞれ五百万円で、地形(深浅、汀線測量)底質、水質、潮の流れ、漂砂、風、波浪などを調査しており、十二月からは航空写真などで冬期の海浜地の変化など調査。来年度も引き続き調査を行い、その結果、養浜の規模、工法や砂の流出防止対策などを決める。

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参照 昭和55年11月29日 紀伊民報