衰弱の白良浜に朗報

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    大量に見つかった白良浜と同質の砂
                西牟婁郡白浜町峯
                    参照 昭和55年12月12日朝日新聞

    大量に同質の白砂

       後背地で見つかる 応急措置へ大助かり

 浸食のために美しい砂浜が削り取られ、地元民から「海水浴場がなくなる」と心配されている西牟婁郡白浜町の観光名所の一つ、白良浜海岸の近くで、同質の砂が大量に見つかった。約一万三千立方メートルあり、白浜町は砂を買い取る費用三千万円の補助を国や県に要望している。

 町を大喜びさせている同質の砂が確認されたのは、白良浜の後背地の丘陵、松下興産が来年六月に「白浜ナショナルエネルギーランド」開館するための造成地で、「白砂が大量にある」との現場からの連絡で、ボーリング調査したところ、ダンプカー約二千台分の埋蔵量がわかった。白浜町では、この砂を白良浜へ移し、採集跡には同量の土を入れることで、松下興産に交渉し、現在、造成工事は中止されている。

 白良浜の浸食については、県が今年から水流の漂砂、風向など、砂の流出を食い止めるための本格調査を始めており、来年度は県や京都、和歌山両大学教授らで「白良浜海岸保全対策連絡協議会」が結成されることになっている。
 同町は「これだけの量では、浜を救うことはできないが、応急措置として大助かり、以前、浜に続いていた砂丘の一部だろうが、町内で採取できる最後の白砂と思われる」と言っている。