洞門へう回路
       一部に批判も 落石で苦肉の策 白浜臨海浦
 西牟婁郡白浜町臨海浦の名所になっている。「洞門」が昨年から風化が目立ち始め雨が降れば石がくずれ落ちている。このため所有者の瀬戸区から対策要望で町も県に対し申し入れていたが、決め手となる対策が無いため、周囲にグリ石を積んだ。歩道を海側にへつくることになった。

 洞門上部の石がくずれ出し、かなり大きな石も時々落ちてきて危険な状態となったので、町は危険表示の看板を出すとともに有刺鉄線を張り通行禁止にしている。しかし、この注意を無視して洞門をくぐり磯遊びに行く人もいるので注意が望まれている。

 このため県工事として洞門の周囲から海側約十メートルの所へグリ石を長さ八十メートル、幅約七十センチに積んだが、自然環境を考ええコンクリートやアスファルトなどは使用せず、洞門の通路と同じ高さで、満潮時には約一メートル海底になり通れなくなるが、低潮の時は海面より約一.五メートル出るようにする。

 これに対し「近くの住民に何の話も無かった。歩道をつけなくても磯づたいに行けるのに、自然の調和から考えてあまり良い対策とは思えない」との意見もあるが、町側は「落石は洞門の中だけでなく外側もあり、近くの磯を通るのは危険。このため海側へ出して通れない所へグリ石を積み、コンクリートなどを使わないようにしている」と説明                      紀伊民報 昭和56年4月15日