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防風対策にと試験的に漁網を張った白良浜

 「飛砂」防止に魚網

  数年ぶりの強風で白良浜でテスト

 白浜温泉のメインの一つ、白良浜では、数年ぶりの強い季節風が吹き、名物の白砂も吹き飛ばされている。それでなくとも年々減少する貴重な砂だけに、なんとか対策はーと白浜町観光部では、「防風対策」として試験的に同浜で魚網を張っており、もし結果が良ければ本格的に行う方針。
 同浜は冬場は特に風が強く防潮堤を越えて砂が吹き飛ばされ、砂を元に戻す作業を行っていたが、ここ数年は比較的風も弱く、こうした作業も行わず、春にブルでならす程度だった。昭和三十八年以来の強い寒波の影響で、ここ数年来で最も強い風となり、二日ごろからは、防波堤をこえて、歩道にも約一bにわたり砂が積もりこのため町では「雪かき」ならぬ「砂かき」を行った。しかし現在でも一部では防波堤がうまる程で、夏場に比べて約二bは埋まっている。

 このため年々減少する貴重な砂を吹き飛ばされては大へんと対策に頭を痛めているがみかん畑では防風魚網を張っているのにヒントを得て七日大敷網を高さ一b、長さ十五bと十bを二か所に設置している。網を張れば風が「分散」して弱まるが、高さなどの関係もあり、効果が上がるかどうかわからないという。ちょうど七日から風もやんでいるためもうしばらく張っておく。このほか商工会でも一か所すだれようのもにで試験している。砂丘で有名な鳥取では年中竹で組んだ大きなものを建てて対策を行っている。

 同浜では海岸環境整備事業として五十七年度から約二十億の一部で白良浜保全を行うほか、近くの白浜ナショナルエネルギーランドの工事現場から見つかった約一万三千立方bの白砂を同浜へ入れる計画もある。             参照 昭和56年1月10日 紀伊民報