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アシで防砂柵をつくる町関係者(13日白良浜で)

 白良浜 砂よ飛ばないで・・・

  飛砂対策に防砂柵

 白浜温泉・白良浜で、数年ぶりの強風のため、貴重な白砂が吹き飛ばされ、町ではその対策に頭を痛めているが、十三日観光部では、同浜にアシで作った防砂柵をたてて対策にのり出した。同浜では三十年ほど前までは、竹垣のようなものを立てていたが、その後姿を消した。

 今年は特に風が強く、二bの防波堤も砂で埋まり、歩道まで砂が積もるため、町は砂かきを行ってきたが、何回くり返してもきりがなく、防砂柵の復活となったもの。十二日に砂かきを行い、歩道の砂を浜へもどし、十三日にはブルでならしたあと、一カ所へ集めて、柵をたてた。

 柵は町内のアシを切って運び長さ約十b、高さ七十aの木ワクの中へアシを立てて高さ二・五bの柵をつくった。この柵を交互に並べて砂の飛ぶのを防ぐもので、今回は約二十カ所に柵をたてた。もし効果があれば今後本格的な対策として柵を増やす計画計画。

参照 昭和56年1月14日 紀伊民報

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 冬の季節風から名物の白砂守れ !

  白良浜「砂囲い」が復活

 西牟婁郡白浜町白良浜の名物の白砂が、ことのほか強い今冬の季節風で吹き飛ばされ、高さ二bの防波堤を越えて散っている。海岸の浸食で砂が減って悩んでいる町は十三日、「これ以上、減ってはたまらない」と、二十年ぶりに砂囲いを復活させた。

 アセと呼ばれる篠竹(しのだけ)のような植物で、海岸中央に高さ二bぐらいの囲いをめぐらせて海からの風を防ぎ、囲いから上部の砂が吹き飛ぶのを防ぐとともに海岸側の飛砂を食い止める。

 このところ毎日、防砂壁を越えて道路に積もった砂をブルトーザーで海岸に戻している職員が三十二、三年ごろまで使われていた囲いを思い出した。十二日に一部試験的に立てたところ、同夜の強風に耐えたことから、本格的に復活させるもの。
 砂囲いは以前、白良浜の冬の風物詩だったもので、中年以上の人は「ほーっ、なつかしい」とながめ、若者はたちは「映画のロケか」と珍しそうに立ちどまっていた。

参照 昭和56年1月14日 朝日新聞