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   白砂搬入始まる

     工事場から二千台分

     海水浴控えて 豊かな白良浜

 白砂青松で歌にうたわれた白浜温泉・白良浜の白砂が年々減少、このままでは観光面でもマイナスになると心配されているが、同浜近くで松下興産が行っているエネルギーランド工事現場から同質の白砂が大量に見つかり、十八日からダンプで搬入を始めた。とくに白良浜の中央部から水際にかけては小石も露出しているので、砂の供給は、「素肌の化粧直し」といったところだ。

 工事現場では白砂が見つかったのは同エネルギーランドの駐車場に当たるとこるで約一万三千立方b。これは十一トンダンプで約千八百台分。白良浜は長さ約四百五十b、幅五十bなので、搬入すれば計算上五十aがかさ上げされる事になる。

 搬入はダンプで砂を入れ、ユンボでならして鉄板を敷き白良浜中央部まで道をつくりダンプで運ぶ。白良浜の砂は石英質で、周辺の開発などで同質の砂が少なくなり、現在搬入できるのは、エネランドの現場だけという貴重なもの去る四十九年に近くのマンション工事現場から六千立方bの砂を搬入しているが、今回はその二倍もの量。

 搬入は五月末までに行い六月の海水浴場開きや、夏の名物砂まつりには豊富な白砂の上で行うことが出来そう。工費は一千百万円。

 また、浜の漂砂の調査を一年間行っており、その結果をもとに県町、学識経験者でつくっている「白良浜海岸保全対策連絡協議会」で、海の砂をサンドポンプで汲み上げるなどの対策を協議する。 「化粧直し」の始まった白良浜(18日)           参照 昭和56年4月19日 紀伊民報