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急ピッチで工事が進む白良浜の人工島 |
釣り、貝採りの人工島 白良浜養浜事業の一環 来夏から新しい「シンボル」に 「弁当持って家族でどうぞ」 高波などで白砂がさらわれ、年々やせ細るなぎさを復活させようと、南紀白浜の名勝地、白良浜の養浜事業を進めている県田辺土木事務所は南側にほぼ完成した人工島(約一万平方b)を同浜とともに白浜の新しいシンボルとして売り出していくことにし、白浜町と協力して観光PRに乗り出した。 この人工島は、白良浜の砂の流出を防ぐため、南側の湯埼海岸から百三十b沖に築き上げた突堤付きの離岸堤で長さ百三十b、幅が底部七十bー上部四・五b、高さ八b。底の中心部に捨て石を置き周囲に重さ四d、厚み一・二bの被覆石(花こう岩)五千個を敷きつめて、さらにその上に同じ花こう岩の景石やベンチ用の石を並べており、ここで観光客に青々とした海を眺めながら弁当を広げたり、釣りや貝採りを楽しんでもらおうというのがねらい。 とくに島のぐるりを覆っている被覆石は、白良浜の景観を損なわないようにと、わざわざ香川県・小豆島から取り寄せた。また、養浜事業で人工島に景石を使用するのは全国でも白良浜だけという。同島は満潮時でも海面より三bほど出ており、広さも六百平方bあり一度に三百人が利用できる。 同島までの突堤(高さ六b、幅三b)は串本・橋杭岩風のイメージに造る計画で現在急ピッチで工事が進んでおり、さらに堤防から砂辺にすぐ降りられるように延長百二十bの階段護岸を設ける。護岸が完成するのは来年七月ごろで、土木事務所や町観光部は「人工島まで行けば白良浜や温泉街など背後地の風景も眺められ、夏場はもちろん春、秋のシーズンにも楽しめる。できれば臨海・円月島に次ぐシンボルにしたい」とPRしている。 参考 昭和62年11月7日 紀伊民報 |
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