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 参考文献 白良浜の海浜過程に関する調査研究 財団法人 防災研究所 昭和57年3月 頁43〜44

5、海浜地形の変化

5.1 汀線の変動

 前文略

 図ー5.1は1980年12月から1981年12月に至る1年間にわたって撮影された白良浜の汀線変動を読み取った位置を示したもので、白良浜の沖合に湯崎側から権現崎まで基準を引き、この基準線から汀線及び白良浜背後の海岸防波堤までの距離を測定した。また、潮位の補正については写真撮影時刻の実測及び推算潮位をそれぞれT、P、±0mになるようにし、また汀線位置については最近の測量結果に基づいてBN、Bc及びBsそれぞれの汀線付近の海浜勾配を求め、それと潮位差との関係で補正している。図ー5.2航空写真の撮影時刻の実測潮位によって汀線の位置を補正し、海岸堤防から汀線までの浜幅をしめしたものである。

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 これによると中央部のBcの値は75m〜85mとほぼ年間を通じて一定している。ただし、10月については若干汀線の前進が見られる。また、浜の南側のBsの値はほぼ50m〜60mの間で変化している。一方、北側のBNの値は5月から7月にかけて75m程度の幅を示しているが、その後漸減して現在では50m〜60mとなっている。さらに、1981年4月中旬から5月にかけて白良浜へ11,300㎥の給砂があり、Bc、BsおよびBNの各測線でそれ以前の浜幅にくらべて、Bcでは5m程度、Bsでは7m程度、またBNでは20m程度平均的に汀線の前進がうかがえる。この給砂の影響よる汀線の前進距離から次のようなことが言えよう。すなわち、給砂後土砂は浜全体へと拡がるが、とくに春期の波浪によって浜の中央から北側への移動が顕著であり、北側の汀線がより前進したものと考えられる。

 後文略