Jpeg

浜辺に打ち上げられたアオノリ?

  売り物 「白砂」に海草

   白良浜にアオノリ?異常発生

 紀南地方最大の海水浴場、白浜町・白良浜でここ数日のうちに青緑の藻が発生。浜辺まで打ち寄せられる始末で、きれいな白砂が売り物だけに、海水浴客をがっかりさせている。町では漁網など使って懸命の除去作業を行っているが、まだ大きな効果を上げていない。町観光部によると「こんな藻が大量に発生したのは初めて」で、県増殖試験場で藻の正体を確認したうえで、今後の対策を立てたいとしている。

 町、清掃作戦もお手上げ

 藻が発生しているのは、現在のところ白良浜海水浴場一帯。初めて見つかったのは二十二日朝で、関係者の話だと海水浴場の北側にあるホテルの近くにしかなかった。それが、二十四日には浜辺一帯に広がり、波打ち際から十数b沖までの海中に漂い、一部は浜辺に打ち上げられている。
 町では、職員と町が雇っている浜の清掃係と一緒になって除去に懸命。二十三日には浜辺近くを漁船を走らせ、漁網で一掃を狙ったがたいした効果はなく、二十四日は五bぐらいの魚網をブルトーザーで引っ張ることにし作業を進めている。しかし、藻はいまのところ広がる一方。いまの方法だと処理に時間がかかるだけに、関係者も対応に頭を抱えている状況。
 ところで問題の藻の正体は、一部でアナアオサではないかともいわれていたが、「アオノリの仲間では、分類のしにくい仲間なので、何処で、どんな状況で生えていたのか、発生している場所を確認しなければ何ともいえない」と県増殖試験場。
 アオノリは通常、淡水の気水域などで発生する。このため河口近くで発生したアオノリが、ここ数日来の雨で流されてきたのか、それとも海水浴場付近で発生したものなのか、いまのところ不明。藻の正体が分かれば対処できる、と県増殖試験場で話しているだけに、早急な対応が求められている。

 白良浜海水浴場では、県が大々的に養浜事業を行っており今年人工島(離岸堤)と護岸堤を連結したため、海水の流れが昨年までとはちがったものになっている。という。また、排水路数は従来とかわりないが、海水浴場南側の離岸堤裏にある排水路は前より沖の方に延長されている。

昭和63年7月26日 日刊紀州新報

Jpeg

 

魚網で除去するものの効果は今ひとつ
(二十五日、午前十時半ごろ白良浜海水浴場)