浜辺に打ち上がった海草を横目に遊ぶちびっ子 (26日午前11時前、白良浜) 参考 昭和63年7月27日 紀伊民報 |
白良浜海水浴場 海草が異常発生 緊急対策に網張る 夏休みの家族連れなどでにぎわっている白浜町の白良浜海水浴場で大量の海藻が異常発生している問題で、同町は二十六日までに、海水浴場周囲に網を張りめぐらせ、海草の侵入を防ぐことにし網を田辺市の業者に発注する一方、県水産増殖試験場(田辺市由良)に採取した海草を持ち込んで正体や原因究明を急いでいる。
町観光部によると、海草は二十日朝(権現崎)の海岸で発見され、その後次第に広がった。現在のところ、湯崎側を含めた南北端を中心に波打ち際から沖五十ー百bにわたって漂い、一面にはグリーンっぽい色に濁って、せっかくの白砂も台なし。一部は砂浜にも打ち上がっているが、海草が大量に発生したのは初めて。海水浴場シーズン中の思わぬ出来事に、町は対策に頭を痛めている。 県水産増殖試験場によると、この海草はアオノリの一種らしいが、はっきりしない。アオノリは通常、淡水の混じったところで発生するほか、公害にも強く汚染された海域でも繁殖するが、発生場所が分からないため原因も不明。
このため、同試験場は「海草の正体を究明しないと対策が立てられない」として現地調査して発生原因を含め詳しく調べる方向で検討している。
海草発生は、遊泳にはほとんど支障はないものの、体に付くため不快感を与えるとして、町観光部職員らが連日早朝、海草の除去作業にあたっているが、増える一方であまり効果が上がっていない。そこで、遊泳区域の目印として沖百bに設置しているブイに沿って南北両サイドに網を張りめぐらせ、海草の侵入を防ぐとともに、沖合にも網を設置し引き上げて海草を回収することにした。 |
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